東アフリカ原産のアフリカマイマイ(East African Land Snail, Achatina fulica)は、成貝の殻径は7−8cm、殻長は20cmぐらい(またはそれ以上)で、世界最大の陸産巻貝の一種です。
日本には食用目的で人為的に持ち込まれたそうですが、1936年ごろから日本経由でハワイに人為的に持ち込まれるようになったそうです。主な目的は食用、鑑賞用でした。
夜行性で、夜になるとエサを求めて移動します。雑食性で、植物の芽、葉、茎、果実、落ち葉、動物の死骸などを食べます。巨大な殻のためのカルシューム分を補給するために、砂やコンクリートを食べることもあります。ナメクジと同じくビールが好きです。野菜や果樹など農作物に食害を及ぼすのでよくないです。
また、中間宿主とする広東住血線虫 (Angiostrongylus cantonensis)いう寄生虫は、人間に寄生した場合、好酸球性髄膜脳炎(eosinophilic meningoencephalitis)を引き起こす危険があり、場合によっては死に至ることもあるそうです。
アフリカマイマイは外来種浸入種ワースト100の選定種にもなっています。 1955年にアフリカマイマイを駆除するために、環境にやさしい生物的制御(biological control)として、ヤマヒタチオビ(carnibal snail, rosy wolf snail, Euglandina rosea)という肉食性の陸貝がハワイに持ち込まれました。アメリカ合衆国南東部フロリダが原産地で、成貝の殻径は約2cm、殻長は約6cmぐらいの陸貝です。
上の写真は、ヤマヒタチオビがアフリカマイマイを攻撃している様子です。2007年12月にカウアイ島で写したものです。個別では見たことは何度もありましたが、このようなのは初めてでした。
ハワイにはハワイ固有の陸貝が棲んでいます。全て小さな巻貝です。移動能力が小さくて、一生同じ木で過ごすものもいます。長距離の移動もしないし、山や水域を越えることもないので、地域ごとに違った固有種へと進化しました。 ヤマヒタチオビは、動きの速い巨大なアフリカマイマイよりも、動きが遅く小さなハワイ在来の陸貝を捕食してしまいます。ハワイ在来の陸貝はネズミにも食べられてしまいます。
ハワイの陸貝の多くはすでに絶滅してしまっていて、残った種も絶滅危機におかされているものが多いです。色帯が綺麗な種(achatinellやpartulina)は、1850年ごろからコレクションとして大量に採集されました。これもこれらの種を絶滅に追い込んだ原因のひとつです。ただ茶色い種(succinea)はコレクターたちによる害を受けませんでした。
ハワイ固有の陸貝は、アフリカマイマイとは違って、植物を食い尽くすことはなく、植物についている菌類(black sooty moldなど)を食べます。葉を綺麗にしてくれるので、植物の光合成を促してくれます。害になる生物ではなく、役に立つ生物なのです。
ハワイ固有の陸貝の寿命は約10年で、5〜7年でやっと性的な成貝となります。雌雄同体ですが、自家受精はしないで、他の個体と相互に交尾して受精します。卵胎生なので、卵を体内で孵化させて稚貝を直接生みます。繁殖は1年に2,3回だけで、1度に1匹しか生みません。
Important Hawaiian Invertebrates (Oahu Tree Snail Video)
Important Hawaiian Invertebrates (Predation Video: Footage of a wolf snail devouring a small snail)
Bishop Museum (Hawaii's Extinct Species--Snails)
Maui Historical Society (Hawaiian Land Snails, David Dwight Baldwin Hawaiian Land Snail Collection)


