ハワイガラス(Corvus hawaiiensis)はハワイ語ではアララと呼びます。 2002年に野生絶滅種となってしまいました。野生絶滅種とは野生では絶滅し、飼育下だけに生き残っている種のことです。
大きさは48-50cmで、ハシボソカラスよりも嘴が太めです。木の実(アカラ、アイエア、ホアヴァ、イエイエ、カナヴァオ、ママキ、マノノ、オハ・ケパウ、オヘロ、オラパ)、昆虫、森に住む鳥の卵や雛、花の蜜、花、腐肉などを食べます。
ハワイ島のフアラライ山と、マウナロア山の西側から南東部の標高300-2500mにある比較的乾燥したオヒアとコアの森に住んでいましたが、減少した原因は、環境が破壊されてしまったこと、外来種の鳥が持ち込んだ鳥の病気を蚊によってうつされるようになったこと(他の鳥たちも同じ理由で1890-1910年に減少しました)、人間が持ち込んだマングースや野良猫やネズミに捕食されてしまうこと、野良猫の糞からトキソプラズマ症に感染してしまうことです。また1890-1930年の間には、農夫たちに撃ち殺されていたようです。1931年より保護されるようになりましたが、それでも1980年代まで、このようなことが続いていたようです。
1973年から個体数を増やすための努力を開始しましたが、結局は野生絶滅してしまいました。飼育施設から野生に戻しても、病気にかかってしまったり、イオ(ハワイノスリ)に捕食されてしまったりしたのです。
問題は、アララに適した環境が殆ど残っていないことです。オヒアやコアの森では、本来は大きな木の下に、多種多様に植物が生えていたのですが、現在は牛などに食べられてしまっていて、イオ(ハワイノスリ)に追われても、飛び込んで隠れるところがなくなってしまっているのです。幼鳥は巣立ってからは、しっかりと飛べるようになるまでは地面近くに住みます。地面に降りれば、マングースや野良猫などがいるわけです。また餌を求めて標高が低いところに移動すると蚊がいますから、鳥の病気をうつされしまいます。
いったん破壊されてしまった場所を再び適した環境にするには長い年月がかかります。現在(2006年)飼育施設には53羽いるのですが、飼育個体数が少ないために、遺伝的な問題もあり、今後も飼育下繁殖をさせるためには様々な難関を乗り越えていかなければなりません。いつか野生復帰が実現しますように。


