エコツーリズムと自然保護について考えるためのブログ。<ダーウィンが、ガラパゴス諸島ではなく、ハワイ諸島で進化論を提唱していたら、ハワイの開発や観光のあり方も異なっていたかもしれない・・・>


海洋ごみ(漂流・漂着ごみ)問題は世界中で深刻化しています。日本でも中国、台湾、韓国など外国から漂着したごみが多く含まれているのと同じく、ハワイ諸島でも外国からのごみが多く含まれています。日本からのごみもハワイ諸島にたくさん漂着します。ハワイ諸島では毎年、計50トン以上の海洋ごみが漂着しているそうです。


日本列島の南側を東に流れる黒潮(Kuroshio Current)は、北太平洋海流(North Pacific Current)につながり、北アメリカ大陸の沖合いで南向きに流れるカリフォルニア海流(California Current)につながり、赤道付近で北赤道海流(North Equatorial Current)となり西向きに流れ、再び黒潮と交わります。海流が巨大な時計回りの輪を描いています。これを北太平洋還流(North Pacific Gyre)または北太平洋亜熱帯還流(North Pacific Subtropical Gyre)とも呼びます。


この還流は海盆を巡るほぼ閉じた海流ですから、ここに漂流してきた海洋ごみは、ここを何回も回り、還流の内側に移動してきます。1周回るのに約2〜4年かかるそうです。還流の内側は比較的安定した海域なので、内側に集まってきたごみは、ここに溜まっていきます。特にハワイ諸島の北東海域に集中して溜まっています。この海域はThe Great Pacific Garbage Patchと呼ばれていて、テキサス州ぐらいの広さ、またはその2倍ぐらいの広さだといわれています。そこでは、プラスチックの海洋ごみとプランクトンの比率は6対1だそうです。美しいコバルトブルーの大海原であるはずの太平洋に、こんなニックネームがついてしまっているのは、悲しいことです。


海洋ごみは、川や海で捨てられたごみだけではありません。道に捨てられたごみも雨や風により、溝に流れ込み、川に流れ込み、やがて海に流れ込んでいく場合があります。災害によって海にごみが流出することもあります。工場から排出される化学物質や金属類、タンカーからもれた重油、漁網やロープやフロートなど漁業系廃物もあります。


プラスチックの海洋ごみが非常に増えています。昔の海ごみは、生分解性(biodegradable)で、海水中の自然環境下に生存する微生物の働きや物理的に、ある一定期間を経ると分解され、最終的に水と二酸化炭素等へと分解されるものでした。しかし、プラスチックは、軽くて強く、さびたり腐ったりせず、色や形も自由に加工ができるすぐれた材質ですから、プラスチック製品がさまざまなところで利用されていますが、使用後には生分解されないごみとなります。


光分解性(photodegradable)のプラスチックは、紫外線によって小さく分解していきますが、小さくなったものは、海鳥などが食べ物と間違ってのみこむので、被害をもたらす一方です。海鳥の死骸からは、このようなプラスチックの欠片、発泡スチロール、ビーズ、釣り糸、ボタン、使い捨てライター、おもちゃ、パイプ、ゴルフの球座、ペットボトルのふた、などが出てきています。


大きなものは漂流し続けます。ペットボトル、タンポンのアプリケーター、ゴムぞうりなども多いです。


捨てられた釣り糸に足がからまって死んでしまった鳥や、捨てられた魚網にからまって死んでしまった海亀やあざらしや鯨もいます。多くの生物が犠牲になっています。


ハワイ島では、特に南部のワイオヒヌからカラエ(サウスポイント)の海岸沿いに、たくさんの海洋ごみが漂着します。2005年11月と12月、2006年2月と4月に、この地域でのごみ拾いが行われました。計35トンのごみが集まったそうです。そのうち約30トンは漁網、全体の82%はプラスチックのごみだったそうです。


海洋ごみの問題は処理対策だけでなく、ごみの発生抑制対策をする必要があります。また、生分解プラスチック(biodegradable plastic)など環境にやさしい材料を利用する必要もあります。


2006年12月22日、ブッシュ大統領によって、Marine Debris Research, Prevention and Reduction Actという海洋ごみの調査をし、発生を防ぎ、減少させるための法令が海洋環境保護と航行安全のために制定されました。この法令により、2010年まで毎年、国から1200万ドルの予算が下ります。そのうち1000万ドルは米国海洋大気庁(NOAA: National Oceanic and Atmospheric Administration)、200万ドルは米国沿岸警備隊(US Coast Guard)が受け取ります。


先日、ハワイ島ヒロとコナで、米国海洋大気庁によりレクチャーがありました。私はヒロでのレクチャーに主席しましたが、とても勉強になりました。北西ハワイ諸島について学ぶことができるMokupapapa Discovery Centerでレクチャーが開かれたのですが、ここに海洋ごみに関する展示物が新しく作られるそうです。




このブログは、ハワイ島でエコツアーを案内するHAWAII NATURE EXPLORERSの環境保護への取り組みのひとつです。緑豊かなヒロよりアロハをこめて発信しています。

テーマ:自然と自然保護 - ジャンル:趣味・実用

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コメント

おっしゃるとおりですね。
私自身は、最近特に意識が高まってきました。

  • 2007/01/12(金) 22:49:44 |
  • URL |
  • Kumiko #lYXiLKrA
  • [編集]

全世界の人々一人一人が、考えるべき問題のひとつに海洋ゴミがあげられると思います。
そのためにみんなが一丸となってできることはなんだろう・・・
まずは個々が意識を持つことですよね。

  • 2007/01/12(金) 21:31:07 |
  • URL |
  • terumi #-
  • [編集]
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長谷川 久美子

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